不動産売却の話を進めているけれども、その売却を取り消したい、と思った場合はどうすればいいでしょうか。
今回は不動産売却手続きの取り消しについて、どのような流れで手続きすればいいのか、違約金は発生するのか、違約金が発生した場合はその相場はどのくらいになるのかなどについて解説します。
不動産売却を取り消すための流れと違約金発生の有無について
不動産売却を不動産業者に依頼したけれど取り消したい、という場合の流れは、基本的には「不動産売却を取り消すと決めたら、できるだけ早く不動産業者にその旨を知らせる」という形になります。
不動産売却の話が進めば進むほど、取り消ししづらい雰囲気になるだけでなく、取り消しのタイミングによっては違約金も発生しますので、とにかく「取り消すと決めたら早く伝える」が大原則です。
さて、こうなると気になるのは「売却取り消しの違約金はどのタイミングで発生するのか」ですが、これは以下の通りとなります。
●査定終了後の売却取り消し:違約金なし
●不動産業者との媒介契約締結後の売却取り消し:違約金なし
●買取希望者が現れてからの売却取り消し:違約金なし
●売買契約締結後の売却取り消し:違約金の支払いが必要
さて、この中で「買取希望者が現れてからの売却取り消しは違約金なし」とありますが、これについて少し解説しましょう。
買取希望者が現れたという状態は、購入申し込みがあったというのと同義だと思われがちですが、不動産売買に関係の深い法律である宅建業法上では「購入申し込み程度ではまだ完全な契約成立とはならない」と判断されるため、この時点で取り消したとしても契約違反にはあたらないため違約金が発生しない、という解釈になります。
こう聞くと、売却取り消しを伝えるタイミングは少々遅くなっても問題なさそうだと思ってしまうかもしれませんが、タイミングが遅くなればなるほど、不動産業者や買取希望者に迷惑をかけてしまうことは避けられませんので、やはりできるだけ早いタイミングで伝えることが大切です。
契約締結後に不動産売却を取り消した場合の違約金の相場は?
売買契約書締結後は法的にも契約が完全に成立したとみなされるため、ここからの不動産売却取り消しには違約金が発生します。
この場合の違約金は、宅建業者が売り主の場合、違約金の上限は売買価格の2割と宅建業法で規定されていますが、それ以外のケースでは違約金の金額は当事者間で自由に決めることができます。
そして、多くの場合は相場である売買価格の1割程度を違約金とするケースが多いです。